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議決権行使書と異なる意思表示

議決権行使と職務代行通知を持参していた大株主の従業員が、株主総会の議場で議案に対して反対行使を行ったが、持参した議決権行使書には賛成表示が書かれてあった。この場合の議決権の取扱いはどうなるのか。

反対行使の意思表示が有効である。従業員は無権代理だという解釈も有り得るが、このケースにおける行使は有効であると解釈するのが一般的であろう。また、事前に約束していた議決権行使と異なる行使を行うことは妨げられない。本件は本人と代理人の間における委任上の義務違反が問題であり、議決権行使に問題はない。

議決権行使書と採決前の退出

議決権行使書と職務代行通知を持参していた大株主の従業員が、株主総会の採決を待たずに会場を退出してしまった。当該従業員が持参した議決権行使書には賛否の意思表示は記載されているので、議決権を行使したと取り扱うことは可能か。

行使したと取り扱うことはできない。職務代行通知を持参した従業員が代理人ではなく代行(代表取締役の手足に過ぎない)であるという議論はあるが、代行に過ぎないと考えたとしても、株主は採決時に賛否表示をして初めて議決権を行使したとみなされるため、採決時に不在では行使したとはみなされない。なお、議決権代理行使には株主に限定する定款規定を置いていることがほとんどであるが、法人代理は株主でなくとも良いという判例がある。

議決権行使結果の開示と株主総会議事録

内閣府令の施行により、議決権行使結果を開示する義務が生じたが、これら議決権行使の結果は株主総会議事録に添付する必要はあるか。

会社法は株主総会議事録に「議事の経過の要領及びその結果」の記載を求めているだけで、議決権行使の集計結果の添付は要求していない。内閣府令は情報の開示を求めているのであり、将来の紛争に備えた記録としての株主総会議事録とは趣旨が異なる。議決権行使結果の添付はあくまで任意である。