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内部監査と監査役の監査

内部監査と監査役の監査は違うのか 

内部監査とは、企業の業務効率化や不正の早期発見・防止などのために「社内」に設けた監査部門がチェックすることで、会社法上の監査役の監査とは異なる。財務諸表の適正性を調べる監査法人、取締役会に出席して経営全体を監視する監査役会(統治形態によっては監査委員会など)と並ぶ、3つの監査機関の一つと位置付けられる。

企業の監査機関の中で、監査法人や監査役会などは法定機関で、外部のステークホルダー(利害関係者)の利益を守る立場が明確だ。これに対し内部監査部門は法的な設置義務がなく、多くが社長の直属である。経営目標達成の観点から、指示命令が浸透しているかなど経営トップに代わって社内の実態を把握する役割を担うケースが多い。担当者の多くは社員。

業務の適正確保のため、会社法などが大企業に義務付ける「内部統制システム」の運用・検証を内部監査部門が担うことも多い。

監査役(会)と社外取締役との連携

CGコードにおいて監査役(会)が社外取締役と連携を図ることが求められているが、監査役(会)が独自に収集した情報を社外取締役に提供しなかったために、会社に損害を与えた場合、当該監査役(会)に責任が生じる可能性はあるか。

監査役は自ら会社の業務・財産の状況を調査する権限が認められているが、社外取締役にはこうした単独の調査権はなく情報の入手はしにくい。よって、CGコードでは、こうした権限のある監査役と社外取締役の連携が期待されていると言うことはできる。しかし、監査役には広い裁量が認められているので、社外取締役に情報を提供しなかったことをもって善管注意義務違反とは言えないであろう。

取締役・監査役のトレーニング方針

コーポレートガバナンス・コードで要求される、取締役・監査役のトレーニング方針はどのような記載開示が考えられるか。

取締役・監査役は選任時点において期待される知識・能力があって上程されているが、その役割を適切に果たしていくには、更なる自己研鑽が必要となる。この自己研鑽が自らの努力だけでは難しいので、会社がサポートすべきという考え方である。例えば社内で昇進して役員となった生え抜き取締役は、業界専門知識等は十分であるが、取締役の役割に関する知識は不十分であろう。一方で社外役員は、役員としての法的な役割に関する知識は十分だが、当該会社の業界に関する知識は十分でない場合が多いであろう。トレーニングはそういった不足していると思われる部分の補足を目的とすることが考えられる。

監査役に求められる適切な知見

コーポレートガバナンス・コード原則で「監査役には、財務・会計に関する適切な知見を有している者が1名以上選任されるべきである」とあるが、会社法施行規則で事業報告の記載事項とされている「監査役が・・・財務及び会計に関する相当の知見」との関係はどのように考えれば良いか。

監査役は会社計算規則に基づき会計監査人の会計監査に意見することが求められるので、財務及び会計に関する知見が求められているのであり、コーポレートガバナンス・コードの「適切な知見」と会社法の「相当程度の知見」の意味に違いはない。ただし、コーポレートガバナンス・コードは「選任されるべきである」と、これをより強力に促進していることが分かる。

監査報告のひな型について

監査報告のひな型について
2015年10月15日(日本監査役協会)

監査役と会計監査人選任議案

平成26年の改正会社法により監査役は会計監査人(監査法人)の選任議案を決められるようになったが、その意義は何か。

改正前の監査役には会社が提案する選任議案への同意権があった。改正会社法により、監査役が自ら決められるようになり責任が重くなった。だが実務上は、従来も会社の執行部と話し合って選んできたので実質的な変更ではないとされている。