取締役でない社長

取締役でない社員が社長になる会社法上の問題は何か。

会社法では、指名委員会等設置会社であれば取締役会決議だけで社長など執行役を選び、代表権も与えることが可能だが、監査役会設置会社では、社長は取締役から選ぶと定款で定めていると、候補者が取締役になっていなければ、株主総会で取締役に選ばれるまで社長交代ができない。よって、候補者を抜てきして新体制で新年度をスタートさせるには、執行役員などから社長を選べるよう定款を変える必要がある。

また、会社法では株式会社に取締役を置くことが規定されているが、社長の設置についての規定はない。よって、社長が「取締役ではないが経営トップ」である場合、会社法が取締役に課す義務や責任を、社長には負わせられないとされている。社長執行役員の経営判断に重大な誤りがあっても取締役の義務や責任を負わないこととなる。