経営経験を持つ社外役員

なぜ取締役会で経営経験を持つ外部人材(社外役員)が求められるようになったのか。

日本では取引先企業との株式の持ち合いなど相互依存型の経営が長年続いていた。それが解消されるにつれ、外国人機関投資家など『物言う株主』から経営の執行と監督を分離すべきだとの要請が強まった。2000年代初めには取締役会の不祥事も相次いだことで、経営を経験した人材による、プロの監視が求められるようになった。企業統治を強化を目的とした会社法の改正や企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の導入が促進されたことも一因である。

なお、社外役員の人選で企業側が注意すべき点は、経営の邪魔をしない、経営陣の言うことを聞いてくれる人材が良い社外役員ではないということ。経営の問題点を的確に指摘し、その企業にはない経験や視点を熱意を持って伝えていく必要がある。一方で、経営陣は時に厳しい意見にも真摯に耳を傾けて経営戦略に取り込んでいく気概が不可欠になる。