譲渡制限付き株式報酬

2016年に解禁された「譲渡制限付き株式報酬」とは何か。どういったメリットがあるのか。

2015年に導入されたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)は「中長期的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべき」と要請した。こうした動きを受け、2016年4月に制度が整えられ、解禁されたのが譲渡制限付き株式である。

株式の無償発行は会社法で認められないため、役員にはまず金銭報酬債権を支給。それを会社に現物出資させたうえで、株式を交付するという手続きを取る。

従来の株式報酬はストックオプション(株式購入権)や、信託銀行がポイントなどを使って管理する「信託型」が主流だった。どちらも中期計画など一定期間終了後に現物株を取得できるが、それまでは株主ではない。これに対し、譲渡制限付き株式は付与時点から配当受け取りや議決権など株主の権利が得られるという点にメリットがある。