議決権行使書と職務代行通知を持参していた大株主の従業員が、株主総会の採決を待たずに会場を退出してしまった。当該従業員が持参した議決権行使書には賛否の意思表示は記載されているので、議決権を行使したと取り扱うことは可能か。
行使したと取り扱うことはできない。職務代行通知を持参した従業員が代理人ではなく代行(代表取締役の手足に過ぎない)であるという議論はあるが、代行に過ぎないと考えたとしても、株主は採決時に賛否表示をして初めて議決権を行使したとみなされるため、採決時に不在では行使したとはみなされない。なお、議決権代理行使には株主に限定する定款規定を置いていることがほとんどであるが、法人代理は株主でなくとも良いという判例がある。