任意と法定の指名委員会

株式会社に設置される「指名委員会」とは何か。

指名委員会とは、社長など経営トップの後任人事を議論し決定する委員会のこと。法定と任意の2種類がある。企業統治の面で条件が厳しい「指名委員会等設置会社」がつくる指名委員会は法定で、人事案には法的拘束力がある。監査役会設置会社や監査等委員会設置会社の指名委員会は任意で、法的な拘束力を持たず、参加者の開示義務もない。現在増えているのが、監査役会設置会社などが置く任意の指名委員会。

企業価値を大きく左右するトップ人事には投資家の関心も高く、日本の主要企業の半数では社外取締役が指名委員会の過半を占め、選任手続きや育成計画の客観性や透明性を高めようとしている。2015年に導入された企業統治指針は「取締役会は後継者の計画について適切に監督すべき」と明記しており、指名委員会設置へ企業の背中を押している。