CGコードにおいて、上場会社は実質株主による株主総会出席への対応が求められているが、実質株主を株主総会に出席させる法的なリスクは何か。
実質株主は株主名簿上の株主ではないため、会社に対する株主の対抗要件を具備しておらず、株主本人として株主総会へ出席するなど、株主総会における株主権の行使を認める必要はないのが原則である。また、学説上も非株主が決議に加わった場合は、決議取消事由に該当すると解するのが通説とされている(但し、実質株主は株主名簿上の株主の代理人として行使できるとする有力な学説もある)。そもそも、株主総会に出席して議決権等株主権の行使を行う意向があるのであれば、株主名簿上に自らの氏名等を明らかにした上でこれを行使すればよく、実質株主の入場を認めない対応には一定の合理性があると考えられる。