多重代表訴訟制度では、最終完全親会社等の株主は、一定の完全子会社の取締役に対して、「特定責任に係る責任追及等の訴え」を提起できるが、これはどのような制度か。
多重代表訴訟は、最終完全親会社等の株主であり、総株主の議決権または発行済株式数の1%以上の株式を6か月継続して保有しているものが、一定の重要な子会社(親会社100%出資で、子会社株式の帳簿価額が親会社の総資産20%超)の取締役等の責任(=特定責任)追及を提起できるとする制度である。
重要な子会社に限定された理由は、重要でない会社については、その事業の在り方が親会社株主に与える影響が重大なものではなく、株式保有が間接的となる完全親会社等の株主に、監督是正の権利を与えるほどのことではないからである。